私好みの新刊 20223

 

6さいからつかえるパソコン』 たにぐちまこと/著  技術評論社  

  今の子どもには学校からタブレットが配られることが多くなった。もちろ

んタブレットでも多くはパソコンなみに機能するが、拡張性から言うと子ど

もの時からパソコンにふれた方がいい。表題の様になんと6さいからパソコン

になじめるように作られたのが本書。文字も大きくルビも付けられている。

本体の設定は基本的に大人の人に頼むことを前提にいろいろ扱い方が示され

ている。まずは、電源の入れ方からマウスの扱い方、設定の変更の仕方など

書かれた後、まずはお絵描きソフト(ペイント3D)でいろいろ絵を描くソフト

の使い方が出る。いろいろ3Dの絵を描けるのが楽しい。乗り物や動物などた

くさんの絵がある。さらに「ウィンドウ」の操作をすると絵が大小いろいろ

変えられる。もちろん自分でいろいろ描いた絵は保存できる。こういうソフ

トを子どもにまず十分味わわせることでパソコンに慣れてもらえる。じつは

長年パソコンを使っている私も、Windowsにこんなソフトが最初から入ってい

るとは知らなかった。

ペイント3Dに慣れたあとキーボードの扱いに入る。「ワードパット」を使

っていろいろな文字を書いてみる。かな入力、ローマ字入力などいろいろな扱

いに慣れる。画像などを入れることもできる。そこまで慣れた後、インターネ

ットの扱いに入る。いろいろ検索できることになれたあと「YAHOO!きっず」と

いうソフトの扱い方に入る。子どもに向けにいろいろな内容が入っていていろ

んな動画も見ることができる。ここでZOOMの扱いに入る。(大人向けにZOOM

ミーティングIDの取得方法の説明が入る。)ZOOMの扱い方の説明があり、いろ

んな友達ともお話ができる。そのあと、カメラの扱い方や動画の編集の話が入

る。最後にプログラミングの仕方が入る。「スクラッチ」を使って簡単なアニ

メーションを作ってみる。「YAHOO!きっず」で「スクラッチ」を検索して登録

手続きをすると自動的にログインされる。他人の作品を見たり自分でアニメが

作れたりもする。今の子どもは小学生の間にパソコンもこれぐらいはマスターす

るとパソコンとも大の友だちになれる。              20219 1480

 

『クマが出た! 助けてベアドッグ』  太田京子/著  岩崎書店 

近年、「熊が街の中を歩いている」という話がよく出るようになった。もとも

と、熊の生息地だった山地が、住宅地や別荘地、観光地などになったことが原因

の一つとなっている。また、熊は記憶が良く人間の出したごみの味をしめたこと

もクマが街に出没する原因ともなっている。クマによる人身事故も増えていて、

クマが駆除される数も年々増えている。このクマと人間の不幸な出会いをなんと

か減らそうと活動している団体が軽井沢にある。クマを射殺しないで犬を使って

クマを森に返す活動をしている。その活動ぶりが本になった。

クマを森に返す役目を持つ犬を「ベアドッグ」と称されている。もともと、犬

を使ってクマを森に追いやる活動をしていたのはアメリカである。犬が「ベアド

ッグ」になるには、人におだやかに接し、すぐクマに襲い掛からないでクマを木

の上に追いやる特性を持った犬が求められる。そのベアドッグ(カレリア犬)がア

メリカから日本にやってくる話からこの本は始まる。そして、その「ベアドッグ」

が日本にやって来ると、日本のクマに強く反応することから訓練は始まる。ある時、

「別荘にくまが出た」という知らせを受け訓練士とともにアメリカのベアドッグが

向かう。クマに向かって盛んに吠える。そのクマに向かって訓練士は〈動物駆逐用

煙火〉を発射する。このようにして、クマに「街に出ると怖い」と覚えさせていく。

人や犬を恐れるクマになる〈学習放獣〉である。

次に活動家たちは、優秀なベアドッグになる犬を日本で産んでもらうことに挑戦

する。飼育小屋も新たに設ける。雌犬のパートナー選びも大きな仕事、同じカレリ

ア犬がアメリカからやって来た。雌のベアドッグは幸い妊娠して6匹の子どもを産

む。その中で ベアドッグとして活躍できる犬を選び出す訓練もする。人に友好的で、

クマには勇敢に立ち向かう素質を持った犬を選び、熊の匂いも覚えさせていく。や

がて子どもの2匹の犬が選び出された。

6月になると冬眠していたクマたちは動き出す。ある日、軽井沢の道路にクマが目

撃された。かつて、人の悲しい事故もあった所なのでほっておない。次々と起こる

〈クマ出現〉にベアドッグたちの活動の話は次々と続く。

   2021 91,300

 

新刊紹介3